ボーイスカウト東京世田谷 第6団

Boy Scout Tokyo Setagaya 6

BP 最後のメッセージ


スカウト諸君


「ピーターパン」の劇を見たことのある人なら、海賊の首領が死ぬ時には、最後の演説をするひまはないにちがいないと思って、あらかじめその演説するのを、覚えているであろう。

私もそれと同じで、今すぐ死ぬわけではないが、その日は近いと思うので、君たち に別れの言葉をおくりたい。
これは、君たちへの私の最後の言葉になるのだから、よくかみしめて、読んでくれたまえ。


私は、非常に幸せな生涯を送った。
それだから、君たち一人一人にも、同じような幸福 な人生を、歩んでもらいたいと願っている。

神は、私たちを、幸福に暮らし楽しむようにと、すばらしい世界に送ってくださったの だと、私は信じている。
金持ちになっても、社会的に成功しても、わがままができても、 それによって幸福にはなれない。
幸福の第一歩は、少年のうちに、健康で強い体をつくっ ておくことである。そうしておけば大人になった時、世の中の役に立つ人になって、人生 を楽しむことができる。


自然研究をすると、神が君たちのために、この世界を、美しいものやすばらしいものに 満ち満ちた、楽しいところにおつくりになったことが、よくわかる。
現在与えられている ものに満足し、それをできるだけ生かしたまえ。
ものごとを悲観的に見ないで、なにごとにも希望を持ってあたりたまえ。


しかし、幸福を得るほんとうの道は、ほかの人に幸福を分け与えることにある。
この世の中を、君が受け継いだ時より、少しでもよくするように努力し、あとの人に残すことが できたなら、死ぬ時が来ても、とにかく一生を無駄こ過ごさず、最善をつくしたのだという満足感をもって、幸福に死ぬことができる。

幸福に生き幸福に死ぬために、この考え にしたがって、「そなえよつねに」を忘れず、大人になっても、いつもスカウトのちか いとおきてを、堅く守りたまえ。
神よ、それをしようとする君たちを、お守りください。


君たちの友
べ-デン-パウエル・オブ・ギルウェル

(これは1941年1月8日にべ-デンーパウエルがなくなった後、彼の書きものの中から発見された)